YouTubeをやっていると、広告単価がかなり月によって変動していることが分かります。
収益化してもうすぐ2年なので、収益化に成功してからの広告費の単価を、RPMとCPMの2つの指標から考えてみたいと思います。
この記事の目次
RPMとCPM についてのおさらい
RPMとは
RPMとはYouTubeからは以下のように説明されています。
RPM はインプレッション収益を意味し、視聴回数 1,000 回あたりの収益額を示します。RPM は、推定収益を同じ期間の合計視聴回数で割って算出します。
推定収益には、広告、YouTube Premium、メンバーシップ、Super Chat、Super Stickers などからの収益が含まれます。これは、YouTube による収益分配後に計算される実際の収益です。
合計視聴回数はすべての視聴回数で、収益化されなかった視聴回数も含みます。ただし、YouTube ショート プレーヤーの視聴回数は含まれません。
RPM は獲得した分の収益を使用して算出されますが、収益化されなかった視聴回数も含まれるため、一般的に再生回数ベースの CPM よりも低い値になります。
CPMとは
一方CPMは以下の説明になります。
CPM は有効インプレッション単価を意味し、収益化対象の再生回数 1,000 回あたりの広告主の支払い金額を示します。
再生回数ベースの CPM は、広告の合計収益を収益化対象の推定再生回数で割って算出します。収益化対象の推定再生回数は、視聴者が 1 本の動画を視聴中に少なくとも 1 つの広告が表示されるとカウントされます。
RPMとCPMの単価をそれぞれ偏差値に換算して比較
今回単価の変動を考える上で、それぞれの実数値から偏差値を算出して比べてみました。なお、開始月の3月は収益化に成功した月で、月の半ばからの情報しかないため、あまり参考になりませんのでご了承ください。
以下がグラフです。
以下がそれぞれの偏差値の実数です。
月 | RPM偏差値 | CPM偏差値 |
---|---|---|
3月 | 47.9 | 57.6 |
4月 | 38.0 | 39.7 |
5月 | 38.9 | 41.1 |
6月 | 42.0 | 39.9 |
7月 | 42.8 | 39.6 |
8月 | 51.6 | 49.1 |
9月 | 55.4 | 54.3 |
10月 | 53.5 | 50.7 |
11月 | 61.4 | 59.6 |
12月 | 68.4 | 68.3 |
1月 | 44.1 | 46.7 |
2月 | 45.6 | 53.8 |
3月 | 77.2 | 76.4 |
4月 | 45.6 | 46.8 |
5月 | 45.1 | 51.4 |
6月 | 48.0 | 47.4 |
7月 | 47.6 | 43.9 |
8月 | 42.5 | 38.4 |
9月 | 49.0 | 45.7 |
10月 | 46.2 | 43.8 |
11月 | 59.1 | 55.7 |
12月 | 75.6 | 73.2 |
偏差値の推移と比較から分かること
ちょっと分かりやすいように、標準偏差の中央値である50を緑の線で入れてみました。緑の線よりも上であれば、平均よりも単価が高いことになります。
YouTubeにおける広告収入(いわゆる「広告単価」=CPMやRPM)は、年間を通して一定ではなく、時期によって大きく変動します。中でも最も広告単価が高くなるのは12月と3月であり、11月も比較的高い水準にある傾向があります。
このような傾向が見られる背景には、企業による広告出稿の集中があります。たとえば、11月にはブラックフライデーやサイバーマンデーといった大規模なセールイベントが控えており、消費者の購買意欲が高まる時期に合わせて、企業は積極的に広告を展開します。
12月はクリスマス商戦のピークであり、多くの人が冬のボーナスを受け取った後ということもあって、購買活動が活発化します。企業側もそれに応じて広告出稿を増やし、競争が激化するため、YouTuber側の広告単価も自然と上昇するのです。
3月は多くの日本企業の決算月であり、年度末に向けて残った広告予算を使い切る動きが活発になります。この「予算消化」の需要により、3月も広告単価が高くなる傾向があります。
一方で、意外にも6月(夏のボーナス時期)や夏休み期間の広告単価はあまり高くないというのが実情です。6月は企業の広告施策として中間的な位置づけにあり、また7〜8月の夏休みシーズンは一部のエンタメ系ジャンルを除いて広告出稿が抑えられる傾向にあります。このため、全体的な単価は「平均的」もしくは「やや低め」となることが多いです。
また、4月から初夏にかけて(4〜6月)も広告単価は低い傾向にあります。4月は新年度が始まり、入学・就職・引越しなど出費がかさむ時期であるため、一般消費者の購買意欲が落ち着く傾向があります。それに伴い、企業も広告出稿に慎重になり、全体のCPMが下がると考えられます。
まとめ
という訳で、以下が今回のまとめです。
- 広告単価が高くなる時期は11月(ブラックフライデー)、12月(冬のボーナス月)、3月(多くの企業の決算月)
- 逆に閑散月は春