株式投資について調べていくと、必ず目にするのがロボアドバイザー。
ロボアドバイザーと聞くと、今流行りのAI(人工知能)を使って、完全全自動で最適なポートフォリオを維持して、元本割れを未然に防いでくれる、夢のような投資の仕組みを思い浮かべるかもしれませんが、実態はどのようなものなのでしょうか?
今回の記事では、ロボアドバイザーの現状についてまとめてみました。
この記事の目次
ロボアドバイザーとは
ロボアドバイザーとは、結論から言うと、投資分配モデルの提案とその維持を行ってくれる、ITと金融を組み合わせたアドバイザリーサービスのことです。もともと、投資信託はインデックスだろうかアクティブだろうが、必ずファンドマネージャーが介在して、ポートフォリオの管理を行っています。それに対してロボアドバイザーは、通常は人間が判断しているポートフォリオの選別を、AIにやってもらう仕組みです。
残念ながら、元本割れを自動的に回避してくれるような投資家に都合の良いサービスではありません。例えば、以下は主要なロボアドバイザーの一つ、MSV LIFEの公開されているパフォーマンスですが、AコースからHコースまであり、期待リターンの小さいものはマイナスになっています。トータルでプラスのものも、その過程では全戦全勝とは行かないことが分かるかと思います。
ロボアドバイザーは結局投資家の期待値が最大の変数
ロボアドバイザーは、「アドバイザー」と言う名前がついているので、何か便利な助言を都度してくれると思いきや、提案内容を弾き出す上での最大の変数になるのは投資家自身の投資に対する目標やリスク許容度などです。
僕はこのくらいの資産があって、このくらいのリターンを、このくらいの期間に欲しい。
ロボアドバイザーを使おうとすると、必ずアンケートが聞かれて、上記のような質問に答えることが求められます。
上記のような自分の目標をロボアドバイザーに伝えると、ロボアドバイザーが上記の目標を達成させるための最適なポートフォリオを提案してくれる、という訳です。
ロボアドバイザーがお勧めできない最大の理由は手数料が高いこと
以下は主なロボアドバイザーのサービスです。以下は国内の主要なロボアドサービスの手数料比較です。
主なロボアドサービス | 手数料 |
---|---|
MSV LIFE | 0.64% |
楽ラップ | 0.7% |
TEHO | 0.7% |
クロエ | 0.88% |
WealthNavi | 1% |
LINEスマート投資 | 1% |
ダイワファンドラップオンライン | 1% |
ちょっと情報収集されている方や、既に投資信託をされている方は分かると思いますが、どのサービスも手数料が割高なのです。
僕も投資しているeMAXIS Slimシリーズなどは、手数料が0.1%台なので、ロボアド各社のサービスは6倍から10倍の手数料を支払うことが必要になります。
そう、ロボアドはファンドマネージャーの人件費は通常の投資信託よりも安いかもしれませんが、ロボアドの開発・維持費がかかるのです。