年収を上げる一番手っ取り早い方法、それが転職です。実際僕も、MBAのインターンシップを入れると過去4回転職活動をすることになり、現在5社目です。そして、今のところ、転職の度にある程度の年収を上げて行くことができました。参考までに以下が僕の転職方法です。

  • 1社目:日系上場企業(新卒応募サイトで応募)
  • 2社目:日系非上場企業(経営者から直接声をかけられる)
  • 3社目:外資系企業インターン(キャリアフォーラムで応募)
  • 4社目:日系上場企業(人材紹介会社経由)
  • 5社目:外資系法人(人事部から声をかけられる)

今回は、僕自身の経験も踏まえ、転職に最適な時期と転職エージェントの効果的な使い方を解説してみたいと思います。

1 転職に最適な時期はいつか?

1.1 新規学卒者の離職状況は平均3割、転職者は5割

厚生労働省が2018年に発表した新卒(高卒・大卒)の離職率は以下のようになっていて、全体として、新卒より高卒が、そして事業規模が小さければ小さいほど離職率が高くなっています。

さらに、中途採用の転職組の場合は、新卒採用の1.5~2倍と言われており、転職後3年以内の離職率は5割前後と言われています。

1.2 退職理由のトップスリーは「キャリア成長が望めない」「残業・拘束時間が長い」「仕事内容とのミスマッチ」

Vokersの「働きがい研究所」では、新卒3年目までに退職した元社員から投稿された回答(全627件)を元に、退職理由のランキングを掲載しています。その中のトップ10は以下のようになっています。

1.3 最低3年は働いた方がいいと言われるのはなぜか

よく3年は働いた方がいいと言われますが、その理由は社会人として独り立ちするまでに、通常そのくらいの時間がかかるからです。これは「一万時間の法則」と呼ばれています。

僕も社会に出て現在5社目ですが、概ね当てはまるのではないかと思います。

また、管理職として採用側にも立っていますが、社会人経験が1、2年くらいしかないのに応募してくる応募者と会うと、

  • 仕事をすぐに辞めてしまうのではないか?
  • 社会人としての基礎ができていないのではないか?
  • 社会人として世の中に通用する強みが何もないのではないか?

などと、正直心配になってしまいます。

1.4 転職の正しい時期など存在しない

しかし、結局のところ、僕も色々なケースを見てきましたが、転職の正しい時期など存在しないというのが僕の結論です。

例えば、僕の義理の弟は、国立大学を卒業した後、F社という日本有数の大手企業の営業職に就職しました。しかし、毎日の激務と仕事内容のギャップから、半年ほどで辞めてしまいました。

F通を辞めた彼は、社員数50人くらいの小さな外資系企業に転職することになったのですが、数年でその外資系企業のトップ営業になり、その後はその実績を元に大手の外資系企業を渡り歩いて、非常に成功しています。

僕はちょうど3年で新卒で入った会社を辞めて、MBA留学の勉強時間捻出のために小さな会社に転職しましたが、退職する際に新卒で入社した会社の上司から、あるメッセージを貰いました。それは次のような言葉です。

「人生には二つの後悔がある。やっておけばよかったという後悔と、やらなければよかったという後悔」

転職に当てはめると、転職しておけばよかったという後悔と、転職しなければよかったという後悔。どちらに転ぶかは結局自分次第ということです。

2 転職の方法と転職紹介会社の効果的な使い方

2.1 主な転職方法は4つ

実際に転職する方法ですが、リクルートワークス研究所の調査で、企業が実際にどのリソースから転職者を採用しているのかを調査しています。結果は以下の通りです。

ネットや新聞・雑誌などに求人募集を出すが最も多く37%、次が社員からの紹介が21%、公共機関はハローワークなどのことで同じく21%、人材紹介会社経由での採用は10%となりました。

採用側の観点からも、この結果は理解できます。企業が支払う費用と、応募者の獲得数、採用企業の特徴を比較すると次このようになります。

採用コスト 応募者の獲得数 企業の特徴
ネットや新聞・雑誌などの求人 無料〜数十万円 多い 中小から大企業まで
紹介 無料 少ない 中小零細から大企業まで
公共機関 無料 多い 中小零細が多い
人材紹介会社 高い(採用で年収の3割) 少ない 大企業や専門企業

2.1.1 自社サイトや、ネット・新聞・雑誌などに求人募集を出す

自社サイトや、ネット・新聞・雑誌などに求人募集の広告を出すのが、コストの面でも、応募者の獲得数という意味でもバランスの取れた選択肢ということになります。求人募集の広告は、出稿媒体を選択することで、応募者の属性を絞り込むことができます。

2.1.2 紹介とハローワークは企業側のコストは無料。しかし・・

実は、採用コスト、という意味では、最も安いのは社員からの紹介と、ハローワークなどの公共機関で、両方とも無料です。

しかし、紹介の場合は良い応募者に会える確率が高くなるものの、絶対数が少ないのが課題です。また、ハローワークの場合は、企業が支払う料金が無料であることから、お金がない中小零細企業の求人募集が多く、大企業や専門企業は敬遠する傾向があります。応募者の裾野が広すぎて、高度なスキルを持った人材を獲得できると思えないのです。

2.1.3 人材紹介会社はコストは高いが、スクリーニングの手間を省いてくれる

人材紹介会社は、採用が決定した場合に年収の30%を紹介料として支払う必要があるため、非常に割高な採用ソースです。しかし、企業からするとある程度絞り込まれた応募者と会えるため、最初の段階でのスクリーニングの手間を省くことができます。

2.2 人材紹介会社の効果的な活用方法とメリット

人材紹介会社経由での採用率が低いからと言って、この方法を敬遠する必要はありません。転職を意識し始めたら、すぐに人材紹介会社に登録しましょう。それは、次のようなメリットがあるからです。

2.2.1 メリットその1:市場動向、業界動向、個別企業の内情が分かる

人材紹介会社に登録すると、担当者がアサインされて面談をすることになります。この面談を通して、現在のジョブマーケットの動向や、応募先の業界動向などの情報を得ることができます。

また、人材紹介会社のエージェントが各企業の担当者と繋がっているため、個別企業のより深い情報を入手することもできます。

2.2.2 メリットその2:自分の客観的な市場価値が分かる

人材紹介会社にとって、登録してくる私たちは商品になります。自分が一体どのくらいの商品価値があるのか、人材紹介会社と面談すると正直に教えてくれます。

自分の市場価値がなければ、人材紹介会社から「申し訳ありませんが、あなたに紹介できる案件はありません」と言われてしまいます。その場合は、自分に欠けているものが何なのか、アドバイスを貰うことができます。

実際に何社か紹介して貰えるなら、それは人材紹介会社から見て、商品価値があると判断されたことになります。

2.2.3 メリットその3:履歴書や面接のブラッシュアップができる

人材紹介会社から商品価値があると判断されれば、人材紹介会社はあなたという商品を売り込むことができるように、履歴書や面接のブラッシュアップを手伝ってくれます。

僕も、3社目の転職は人材紹介会社経由でしたが、履歴書の作成から面接対策まできめ細かいサポートを受けることができました。

2.2.4 メリットその4:給与や回答期限の延長など企業との個別交渉をしてもらえる

人材紹介会社を通す場合、人材紹介会社の担当者が企業側と給与や回答期限の延長などの交渉を仲介してくれます。

特に給与交渉では、応募者本人で企業側と交渉するのは、よほど有利な立場にいない限り、容易ではありません。

2.2.5 メリットその5:社長や役員、人事責任者との面接を設定できる

人材紹介会社の担当者が企業側と強いコネクションがあると、社長や役員、人事責任者など、決裁者との面接を直接設定してもらえることがあります。

僕自身、人材紹介会社経由で転職した時、一次面接はいきなり事業部長との1対1の面接でした。その事業部長と人材紹介会社の担当者が懇意だったので実現した面接でした。二次面接は執行役員と人事部長。それで終わりです。

入社後分かったのですが、通常は三次まで面接があり、一次は現場と人事部スタッフとが面接に当たるのですが、この一次面接がスキップされていました。

2.3 人材紹介会社の選び方

人材紹介会社ですが、総合タイプと専門タイプの2つの種類があります。総合タイプと専門タイプの違いは以下の通りです。

総合タイプ 専門タイプ
  • 大手企業の求人が多い
  • 幅広い業界に対応している
  • 様々な職種の求人がある
  • 求人案件が多い
  • 異業種、異職種からのキャリアチェンジにも対応できる
  • 中堅~小規模が多い
  • 求人案件は少ないが特定の業界、職種を専門に扱う
  • 経験を生かした求人案件に応募できる

専門職でない限り、通常は総合タイプの人材紹介会社に登録し、転職活動をすることになります。

2.3.1 初めて登録するならマイナビエージェントがおすすめ

これから初めて転職活動をするなら、まずはマイナビエージェントに登録してみましょう。マイナビエージェントは、総合型の人材紹介社で、非上場企業ながら売上高1745億円(2018年実績)ほ誇る、人材紹介会社の最大手の一角です。

マイナビエージェントが面白いのは、総合型の人材紹介社である一方、以下のように専門サイトをそれぞれ用意し、専門タイプの人材紹介会社の顔も持っていることです。

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