Amazon Kindleとnote。コンテンツ売るならどっちがいい? 自分で売って比較してみた

テキストコンテンツを販売する代表的なプラットフォームといえば、Amazon Kindleとnoteの二二つがあります。同じコンテンツ売るならどちらがいいのか? 自分で実際に売って比較してみました。

僕のKindle出版履歴

僕のKindle販売状況

僕のKindle販売状況ですが、始めたのは2016年です。今のところ4冊出していて、毎年数冊ずつ追加する予定です。

販売状況は弱小執筆家なので低調ですが、一応毎月ポチポチ売れています。売っている本が季節ものなので、毎年秋になると少し売り上げが伸びます。

Kindle本の出版の方法を簡単に紹介

今回のエントリでは簡単に紹介しておきます。僕が使うのは以下の5つのサービスです。

その1「Google Docs」 でコンテンツを作る

Google Docsは原稿の執筆に使います。Google Docを使えば、スマホを使って隙間時間に執筆することができます。僕の場合は、メインの執筆はパソコンで行い、通勤中にパソコンで書いた文章のチェックをする、という感じです。

その2「でんでんマークダウン」で装飾する

コンテンツが書きあがったら、でんでんマークダウンというサイトに記載されている記述ルールにしたがって、見出しや画像などを装飾していきます。

その3「でんでんコンバーター」で表紙と原稿をePubファイルに変換する

装飾が終わったら、Google Docの原稿をテキスト形式でダウンロードして、でんでんコンバーターでePubファイルを制作します。

その4「クラウドワークス」でプロに表紙を依頼する

コンテンツの制作と平行して、表紙の制作をプロに依頼します。外注する理由は簡単で、僕はデザインができないからです。また、アマゾンにおいては、表紙デザインが売り上げを左右します。

僕が使っているのはクラウドワークスです。発注金額は5000円で探します。

その5「キンドルダイレクトパブリッシング」で出版する

データの準備が終わったら、ePubファイルと表紙データをKindle Direct Publishingに登録すると出版作業が完了です。

 

僕とnote

noteはブログとSNSの中間にあるようなサービス

去年の暮れにようやくnoteの存在に気づきました。

noteとは、文章、写真、イラスト、音楽、映像などを手軽に投稿できるクリエイターと読者をつなぐサービスです。ブログのように使うことも、SNSのように使うこともできる、ブログとSNSの中間に位置するようなサービスです。

アマゾンで販売中の書籍2冊をnoteに移植してみた

クリエイターとして特筆すべきは、noteに掲載したコンテンツに値段をつけて販売することができる点です。

ものは試し、ということで、アマゾンで販売している書籍の2つをそのままnoteに移植してみました。

その1投稿したいコンテンツ種類を選択

移植方法は簡単です。まず、投稿ボタンを押して、投稿したい内容を選択します。今回は「テキスト」を選びます。

その2 白いキャンパスに原稿を移植

テキストを選択すると、以下のような真っ白なキャンパス(?)が表示されますので、ここにコンテンツを移植していきます。

その3 公開設定で販売形式を選択する

原稿ができたら、公開設定で有料・無料を選択し、有料の場合は価格と無料公開範囲を選択して更新します。これで完了です。

公開から2ヶ月後、ようやく初セールス!!

僕の場合は、公開から2ヶ月後、ようやく最初の1本が売れました!笑

Kindleとnote。同じコンテンツを販売して分かったメリット・デメリット

同じコンテンツを販売してみて分かった2つのプラットフォームの比較表です。

プラットフォーム Kindle note
手数料 30%-65%(プランによる) 15%
表紙 必要 不要
コンテンツ テキスト・画像のみ テキスト・画像・動画・音声
集客 Amazonに依存 個人に依存
ユーザー数 約4000万人 約1000万人

ポイントその1:手数料はnoteが有利

まず手数料ですが、こちらはnoteに完全に軍配が上がります。

Kindleの手数料は結構エゲツない

Kindleの場合は最大70%のロイヤリティを受け取ることができますが、そのためにはKDPセレクトというサービスに本を登録することが必要になります。KDPセレクトは、 Kindle Unlimited や Kindle オーナー ライブラリーの読み放題サービスに本を提供することが求められるのですが、これがエゲツない代物です。

Kindle Unlimited や Kindle オーナー ライブラリーで書籍が読まれると、ロイヤリティの代わりに読まれたページに合わせてグローバル基金の分配金が支払われる仕組みになっています。

僕は2つのプランを1年単位でプランを入れ替えてテストしてみましたが、グローバル基金の分配金は1冊あたりたったの数十円で、ロイヤリティの十分の一くらいでした。逆にいうと、10倍売れる自身があるならKDPセレクトに登録すべきですが、そうでない限りは35%のロイヤリティの方が実入りが多くなります。

海外の情報をみていると、人気小説家とかだったら、分配金だけでもかなり行けるようですが。

noteは15%のみ

一方、noteの手数料は15%のみで、実にシンプルです。以下はnoteのQ&Aに書かれている説明です。

3-9. クリエイターがコンテンツを販売する際に引かれる手数料を教えてください。

noteは、売上金額から決済手数料を引いた額の10%を、プラットフォーム利用料として申し受けます。定期購読マガジンの場合は20%です。決済手数料は、クレジットカード決済では売上金額の5%、携帯キャリア決済では売上金額の15%です。

ポイントその2:noteは表紙を作らなくていい。ただし、画像は色々必要

noteはKindleと異なり、表紙とかを作る必要はありません。しかし、ブログの投稿とよく似ているため、読みやすいコンテンツにするためには画像を要所要所で入れて行く必要があります。

一方Kindleの方は必ず表紙のデータを入れる必要がありますが、それさえ作ってしまえば、本文に画像がなくてもそれほど目立ちません。もちろん書籍の種類にもよりますが、これは期待値の問題かと思います。

ポイントその3:コンテンツの自由度はnoteの方が高い

Kindleは将来的には分かりませんが、現在のところ動画や音声は埋め込めません。やろうと思ったら、リンクを貼ってどこかに飛ばすしかありません。

一方、noteはブログサービスとほぼ同じなので、画像はもちろん、動画や音声ファイルも簡単に埋め込んでコンテンツの一部にすることができます。

ポイントその4:他力本願な集客はKindleに軍配が上がる

他力本願な集客では、Kindleの方がnoteよりも優れていると思います。

実際に両方のプラットフォームで同じものを販売していて痛感しましたが、noteで何かを販売するためには、個人としての信用を別のところで固めておく必要があります。よくあるパターンは、Twitterで自分のフォロワーに対して宣伝をして販促するパターンです。ここら辺のノウハウは検索すれば色々出てきます。

一方Kindleの方は、そういった信用を事前に作り上げておかなくても、ある程度のニーズがあれば、タイトルと表紙で売れていきます。

ポイントその5:ユーザー規模は圧倒的なAmazonに軍配が上がる

ユーザー規模ですが、Amazonが4000万人であるのに対し、noteは1000万人で、4倍の開きがあります。

しかし、ユーザー規模以上に大切だと思うことは、Amazonに集まる4000万人の属性とnoteを利用する1000万人の属性の違いです。

当たり前ですが、Amazonはショッピングサイトです。つまり、Amazonに集まる4000万人は、基本的には財布の口を開けた上でAmazon内の商品を探しています。これは非常に大きなことです。

一方noteの場合は、「さあ、何か購入しよう!」なとど財布の口を開けながら情報を探している人はAmazonほど多くありません。インフルエンサーがいて、その人の投稿内容をフォローしているうちに、そのインフルエンサーから有料コンテンツを紹介される、という流れが多いはずです。また、noteで購入する際、決済情報を初めて登録する人も多いのではないかと思います。つまり、販売に到るまでのプロセスがAmazonよりも長いのです。

 

まとめ

色々と書いてきましたが、結論としては、それぞれのプラットフォームは一長一短なので、両方をうまく使い分けながらコンテンツを販売して行くのが賢いやり方ではないかと思います。

以下はKindleとnoteそれぞれのおすすめ解説本です。