低位株投資でコケた僕が次に読んだのが「日本株独学で60万円を7年で3億円にした実践投資法」です。読んだのは2年ほど前ですが、結果がきっちりと出たことを考えると、非常に役立つ本でした。
本書が紹介するのは、市場の歪みに着目して儲ける手法
この本の著者である堀哲也氏は、リーマン・ショックで60万円まで減少させたものの、その後復活して独学で3億円にまで増やすことができた、その手法を解説してくれています。
その手法のキモはズバリ、市場の歪みに着目する、というものです。
市場の歪みに着目する投資手法とは
市場の歪みに着目する投資手法とは、これから市場の評価が上がりそうなものを、先回りして購入しておき、その後市場の評価が追いついて株価が上昇した時に売り抜けるというものです。例えば、以下のような銘柄が該当します。
- 上方修正をする企業
- 赤字から抜け出す企業
- 株価が上昇するネタが公開されたが、まだ市場全体が気づいていない
- 買収されそうな企業
- 一時的な要因によって、株価が落ちている企業
上記のような企業を、誰でもアクセスできるネットの情報源から探し出し、先回り投資することになります。
この中で、僕が実際に取り入れたのは「上方修正を出しやすい企業を探す手法」です。
上方修正を出しやすい企業の探し方
まず、上方修正を出しやすい企業の探し方ですが、本書で紹介されているのは株探を活用する方法です。
株探の中に、業績上方修正が有望な銘柄の一覧を参照できるところがあります。
この銘柄リストですが、企業が公開している通期の業績見込みに対し、進捗率が上回っている企業の一覧を参照することができます。
つまり、進捗率が高ければ高いほど、上方修正が出る可能性が高い、ということになります。
本書では、さらにこのリストの中から、以下のような条件の企業を探すよう進めています。
- 第2四半期の場合、進捗率が67%以上
- 5年平均進捗率との乖離が10%以上
- PERが20倍以下
2番目の条件が大切になってくるのは、企業によっては売上がある四半期のある期に集中する傾向がある場合があるため、過去5年間の平均との比較をすることで、現在の進捗率がいい意味でのイレギュラーなのかを判断することができます。
ちなみに、僕の場合は、上記の条件に加えて「配当率が3%以上であること」というものを追加しています。これは、万が一株価が自分の予想通りに動かなかった場合の保険のようなものです。万が一株価が下がって長期保有することになっても、配当が良ければ、放置しておくだけで毎年の配当金によってマイナスが消えていく、という算段です。
僕の実践経験談
日本エスコンで成功、アーバネットで失敗
この手法で見出してメインで購入したのが日本エスコンとアーバネットです。2つとも2年前に購入しました。
日本エスコン
まず日本エスコンですが、この銘柄には本当に美味しい思いをさせてもらいました。購入したのは500円台の時ですが、上方修正が出て、株価が一気に倍になりました。売ったのは900円台でした。
その後は業績がいいのに空売り機関投資家に絡まれて、好決算の度にドスンと落とされる、というパターンを2018年から続けています。そのため、その後は逆を張って、決算発表でドスンと落とされたところを拾って、ある程度上昇したら売る、というパターンでここ最近は利益をあげさせてもらっています。
アーバネット
アーバネットはこの手法の教訓を教えてくれた銘柄です。まだ保有しています。購入したのは380円くらいの時で、その後数ヶ月株価は順調に上昇しました。しかし、通期の決算発表で次の期に大幅な減収減益になることが分かると、株価が一気に下がり、その後は泣かず飛ばずです。
唯一救われるのは配当金が非常に良いことで、この配当金のおかげでマイナスになった分は順調に穴埋めできています。(まだトータルでマイナスですが)
まとめ:僕が学んだ教訓
今回紹介した株探を元に上方修正銘柄を探す方法ですが、この探し方で出てくるのはあくまで「今期の業績が好調な企業」だけです。つまり、来期のことは全く分かりません。
逆を言うと、この手法で予想できる時間軸はあくまで9ヶ月以内、と言うことになります。長期的な成長を見込んでいるわけではないので、長期保有には向かない投資方法です。
しかし、それでも僕が資金を増やす上でお世話になった日本エスコンのような銘柄を発見できるので、銘柄探しの一手法としては知っておいて損はないと思います。
詳しく学びたい方は是非本書を学んでみてください。